昔、アラブ音楽の講座を受けた時に、
「イギリスで起きた第一次産業革命以降、楽器が大量生産される時代に突入、音の規格も決められた。今では民族音楽の類にしか残っていない所謂微分が音が西洋音楽(クラシック)にもあった。」
っというお話を聞いたことがありました。
最近そのお話を思い出す機会があったので、少し自分でも調べたいなと思って手に取った本。
読んですぐ気づいた、
この本の著者、渋谷にスタジオがあった頃、毎日のように目の前を通ってたサロンのオーナーさんだ!
一気に親近感が(勝手に)湧いて、あっという間に最後まで読みました。
正直、全くと言っていいほどクラシックやピアノのことは分からないので、難しく感じるところは多々ありましたが、
それでも引き込まれたのは、著者の高木さんのピアノへの情熱に他ならなく、読み終わる頃には、クラシック音楽やピアノに興味を持ってしまうほどです。
本に何度もでてくるホロビッツというピアニスト、
もちろん名前も初めて聞きますが、興味が湧いて聞いちゃいましたよね…YouTubeでですが汗
最近よく考えていることがあって、
例えば「ド」っていう音があって、その音から外れたら、全部アウトーーーみたいな感性って、どうなんだろ?
カラオケの採点みたいな感覚で、音楽って聞くものなのかな?
そんな風に音楽聞いてたら、
考え方も排他的になりそ〜とか
「ド」の音に揺らぎがあって、
「ド」という音に幅がある。
その揺らぎや幅がハーモニーを産んだりはしないのかなぁ?
豊かな音って、
定規で測ったような音ではないはず!
だけど、じゃぁどうして、正確な「ド」以外の音はアウトーーーって言われちゃうようになったの?
この本に嬉しいヒントがたくさんありました。アラブ音楽ラバーだけでなくとも、ぜひ読んで欲しいのですが、少しだけ本の一節を紹介しますね。
「ピアノの調律はぴったり合わせない(中略)音楽的な音というものは、ある意味いつも揺らいでいます。(中略)ピアノの音はぴったり合わせると、スーッと減衰していきます。オクターブもユニゾンもぴったり合わせてから微妙にずらすとあたかも命を吹き込まれたかのように消えかけた音が膨らみ、また伸びていきます。」
今のピアノではショパンは弾けない 高木裕著書
この一節でも読んでよかったなって思えるたけど、それ以上の愛を貰える本。
今度渋谷に行くときは
このカフェでコーヒーを飲もう。
スタンウェイというピアノを見てみたいなぁ。
そんな感想を書きたくなったのも、今日が6/19だから。
クラシック音楽にもピアノにも、タカギクラウヴィアさんにも、ゆかりのない、ただの通行人の私ですが、6/19のパワーを感じました。